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「良い人に会い、良い会話をする。」ブルーミングランチの基本趣旨です。クリプトシーン(Crypto Scene、ブロックチェーン・仮想資産エコシステム)の良い人々に会い、彼らの仕事と生活を伝えます。

ジャスティン・ヒョン アフルエント(Affluent)共同代表を説明するとき、トン(TON)財団を抜きにできない。トンはテレグラム基盤のレイヤー1ブロックチェーンで、2023年にテレグラムの公式ブロックチェーンパートナーに選ばれた。ヒョン代表は2022年から昨年まで約3年間、トン財団で機関成長総括理事として活動していた。

その後彼はトン財団を離れ、トン基盤の分散型金融(DeFi・ディファイ)プロジェクト、アフルエントを共同設立した。アフルエントは月間アクティブユーザー(MAU)10億人に達するテレグラム生態系にディファイサービスを拡張することを核心目標としている。

ヒョン代表と会った場所はソウル江南区に位置するユジョン食堂。防弾少年団(BTS)が練習生時代によく訪れていた場所で、BTS関連の主要スポットを巡るいわゆる「バンタンツアー」の必須コースの一つと見なされている。実際に店内は世界中のBTSファンが残していったポスターやグッズで溢れていた。

半ズボンにTシャツ姿で店に到着したヒョン代表とともに、代表メニューのユジョンサムパプ2人前を注文した。彼は「事務所の近くにある店なのでよく来る」と語り、「韓食は栄養のバランスがよく取れていて、韓国にいる間に確実に健康が良くなった」と述べた。

デロイト・ブロックファイを経てトンへ

ヒョン代表は韓国系カナダ人だ。彼の家族は彼が8歳のときカナダに移民した。彼はカナダで高校を終えた後、アメリカの大学で会計学を専攻し、その後世界四大会計事務所の一つであるデロイトで5年間会計士として働いた。

彼がクリプト業界に足を踏み入れたのは、2021年にアメリカの暗号通貨貸出業者ブロックファイ(BlockFi)で財務戦略担当として働き始めてからだ。ヒョン代表は「コロナ19パンデミック初期、カナダに滞在していた時期があった」とし、「幼少期からの知人がブロックチェーン業界で働いていて、自然と興味を持つようになった」と振り返った。

話をしていると、鉄板に載せられた黒豚の豚キムチ炒めが出てきた。ピリ辛で甘い豚キムチ炒めは、出てきた新鮮なサンチュと良い相性だった。主にナムルで構成されたおかずはさっぱりと整った味だった。店内には同じ豚キムチサムパプを食べている外国人客もかなり目立った。

ヒョン代表はサンチュに豚キムチを載せて食べながら話を続けた。彼は「ブロックファイは中央集権型金融(CeFi・シーファイ)企業だった」とし、「ブロックチェーン産業に挑戦してみたくて移ったが、実際の業務は従来型金融(TradFi・トラッドファイ)と大きく変わらず、虚しさを感じた」と明かした。続けて「知人の紹介で偶然トンの開発者たちを知り、振り返れば驚くべき決断だが、その時は『ここで一度やってみよう』という気持ちになった」と付け加えた。

ディファイへの渇望で「アフルエント」設立

ヒョン代表がトン財団に本格的に合流した時期は2022年だ。当時はトン財団が2023年にスイスで公式に発足する前で、組織形態も十分に整っていなかった。彼は「トン財団で働いていた初期に、トン基盤プロジェクトのインキュベーションを担当した」とし、「いくつかのプロジェクトをインキュベートしながらトン基盤ディファイの可能性を見た」と語った。

その後ディファイプロジェクトへの渇望は次第に大きくなり、結局彼は昨年トン財団を離れ、国内ブロックチェーン企業ビハーベスト(B-Harvest)とともにトン基盤ディファイプロジェクト、アフルエントを共同設立した。ヒョン代表は「2年前、ブロックチェーンイベント参加のために韓国を訪れた際にビハーベストを知り、トン基盤ディファイプロジェクトの必要性について共感が形成されて意気投合した」と述べた。

ヒョン代表の説明によれば、アフルエントは第3世代のディファイレンディングプラットフォームだ。ディファイレンディングプラットフォームは単純な資産貸出サービスを提供するアーヴェ(Aave)などの第1世代から、貸出に資産運用の概念を加えたモルフォ(Morpho)などの第2世代へと進化してきた。

彼は「アフルエントは資産運用会社と連携して、借りた資産の収益率を最大化できるよう支援する」とし、「『トラストレス(Trustless)』モデルを導入して資産運用の透明性を高め、横領の可能性を根本的に遮断したのが特徴」と語った。

食事を終え、7号線ハクドン駅付近のスペシャルティカフェ、パピュラーコーヒーロースターズへ向かった。ユジョン食堂から徒歩約10分だ。カフェで「エルサルバドル マラカラ C パカマラ ナチュラル」豆で淹れたフィルターコーヒー2杯を注文した。メニューのテイスティングノートにはグレープフルーツ、チェリー、ブラックベリーなどと書かれていた。

ヒョン代表は「エルサルバドル豆で淹れたコーヒーを飲みながら暗号通貨の話をするのが象徴的だ」と笑った。エルサルバドルは2021年に世界で初めてビットコイン(BTC)を法定通貨として導入した国だ。

カフェに席を取り、トラストレスモデルについての話を続けた。トラストレスモデルは分散化の核心の一つで、機関などの仲介者を信頼しなくても安全に取引が行えるシステムを指す。ヒョン代表は「ブロックチェーンの『トラストレス』は仲介者を『信用できない』という意味ではなく『信用しなくてもよい』という意味だ」とし、「トラストレスモデルが金融の未来になるだろうと見るのを越え、未来にならなければならないという立場だ」と述べた。

トン基盤ディファイの需要は増えるだろう

既存のディファイレンディングプラットフォームが大半イーサリアムに基づいている中で、アフルエントのブロックチェーンにトンを選んだ理由を問うと、ヒョン代表は「テレグラムは全世界10億人のコミュニケーション手段で、アクセス性を優先的に考えればどのブロックチェーンよりも強みがあるからだ」と答えた。

また「既存ディファイサービスの最大の障害は一般利用者がブロックチェーンについて学んでアクセスしなければならなかった点だ」とし、「ディファイはもちろん、すべてのブロックチェーンメインネットの持続可能性は結局一般利用者がどれだけ簡単に日常でアクセスできるかにかかっていると見る」と述べた。

ネットワークの成長可能性も彼がトンを選んだ理由だ。ヒョン代表は「テレグラムは他のソーシャルメディアと異なり利用者データを活用して収益を上げないという哲学があり、トンのようなブロックチェーンで収益モデルを高度化せざるを得ない」と語った。続けて「トンはテレグラムとますます緊密に連動するだろう」とし、「ブロックチェーン技術が普及するほど、東欧、東南アジアなどテレグラムを主要メッセンジャーとして利用する地域でトン基盤ディファイサービスへの需要が高まることは避けられないだろう」と予想した。

最後にクリプトシーンの魅力を尋ねた。ヒョン代表は「現在のクリプトシーンの最大の利点は、他のどの産業よりも『出自』を見ない点だ」とし、「人材を採用するとき、人種、学歴などに関係なく『どれだけ貢献できるか』を集中して見る雰囲気がある」と説明した。彼は「簡単に言えば誰にでも機会が開かれているという意味だ」とし、「特に頭の良い人が多く、毎日刺激を受けながら働ける点も魅力的だ」と述べた。

インタビューを終え、ヒョン代表が先に席を立った。バックパックを背負いながら彼は「出勤するときに楽しく、帰宅するときも楽しい人が成功した人だという言葉を聞いたことがある」とし、「今クリプトシーンで働きながらそういう人になったと感じる」と微笑んだ。そう言いながら事務所で間もなくミーティングがあるので急いでカフェを出た。

本インタビューは特定の店やブランドから支援や金銭的対価を受けておらず、商業的意図なく行われました。『ブルーミングランチ』コーナーは、インタビュー対象者が好む馴染みの店で形式張らない雰囲気の中で自由なインタビューをすることを趣旨としています。