「110兆ウォン」デジタル通貨実験再開…イ・チャンヨン "投資しない銀行は抜けろ"

韓国銀行は110兆ウォン規模の国庫補助金をデジタル通貨で支払う政府事業を、第2次「漢江」プロジェクトの詳細事業として推進すると発表した。既存の第1次事業で投資金額などに不満を示した銀行を念頭に置き、"今回のプロジェクトは投資する意志のある銀行とだけ行う"と述べた。

イ・チャンヨン韓国銀行総裁は28日、金融通貨委員会の通貨政策方向会議後の記者会見で、政府が国庫補助金をデジタル通貨で支払うと発表した件に関する質問を受け、"（韓銀のデジタル通貨プロジェクトである）『漢江』の第2次プロジェクトの一部として進める"と語った。

この事業は112兆ウォンに達する国庫補助金の一部を現金やバウチャーの代わりにデジタル通貨で支払う事業だ。ブロックチェーン技術を活用して補助金が別の用途に使われるのを防ぎ、それを管理する行政および金融コストを削減する趣旨だ。

デジタル通貨は韓国銀行の中央銀行デジタル通貨（CBDC）とブロックチェーンシステムを基盤に市中銀行が発行し、国庫補助金受給者の電子ウォレット（スマートフォンアプリ）へ送金する。通貨は既存の通貨価値と連動し、韓銀のデジタル台帳であるブロックチェーンでリアルタイムに確認・管理できる。

韓銀のCBDCと異なる点は、使用先が制限されることだ。CBDCは現金のようにどこでも使用できるが、政府のデジタル通貨は国庫補助金に関連する受給者・事業者の間でのみ取引が可能だ。

総裁は"デジタル通貨で補助金を支払えば、元請企業が下請企業と契約する際に直ちに補助金を支払ったり、特定事業目的の補助金の場合、関連企業でのみ決済されるようにプログラムすることが可能だ"とし、"最近ク・ユンチョル副総理が韓銀を訪れた際に提案をくれた"と説明した。

総裁は今回のプロジェクトは一部の銀行とだけ進めるという点も明確にした。総裁は"110兆ウォンを超える規模なので銀行側にとっても参加する誘因になるだろう"とし、"第1次プロジェクトの経験を生かし、全ての銀行にオープンするのではなく、投資する意志のある銀行を中心に行う"と述べた。

先に7月まで進めた第1次プロジェクトで参加銀行がインフラ投資費用などを巡って韓銀に不満を表明したことを念頭に置いた発言とみられる。当時一部の銀行は"韓銀がインフラ構築や加盟店の確保を銀行に押し付け、催促するだけだった"と抗議した。該当の報告書が公開され論争が起きることもあった。

韓銀の内外では、当時不満を表明した銀行は今回のプロジェクトに参加しにくいだろうと見ている。

カン・ジンギュ記者 josep@hankyung.com